ballet
27 Apr,2026
娘が生まれてから、
寝ても覚めても頭の中は娘のことばかり。
この子はどんなことに夢中になるのだろう。
ああ、なんて可愛いんだろう。
動物にも人にも、優しくできる子に育ってほしい。
したいことを、のびのびとできる人生を送ってほしい。
そんなことを考えるたび、
自然と自分の幼い頃の記憶をたどる瞬間が増えていきました。
何に惹かれて、
どんな時間に心が躍っていたのか。
まだ自分だけでは手の届かない景色を、
惜しみなく見せてくれたのは、
いつも両親だったこと。
そのひとつが、
幼い頃に通った様々な習い事の時間だったように思います。
時に昭和のアイドル歌手のようなハシゴ移動を叶えてくれた
母の敏腕送迎。
当時は待ち時間に視線を落とす先もない時代。
あの頃当たり前に注がれていた時間の重みを、
今になって知るのです。
それでも仮病を使ってまで行きたくない習い事もあった中、
3歳の頃から習っていたクラシックバレエは、
楽しかったと懐かしむだけでは
到底足りないものでした。
レッスンを終えて帰宅し、
夕飯ができるまでの束の間の時間。
自分にだけ聞こえるチャイコフスキーに合わせ、
脳内ではもう大人のレッスン着にも着替え、
見えないどこかの子どもを相手に
自作の振り付けを手取り足取り教えながら、
「アンドゥートロワ」と繰り返す。
今夜のメニューの香りに乗せて、
自宅リビングの大きな窓に映る
小さな先生の姿を思い出したのです。
子供の頃の夢が、
絵かきとデザイナー、
そしてバレエの先生だったことも。
想像すること。
それをかたちにすること。
頭の中で果てしなく広がる世界を
あの頃すでに見ていたんだと
腑に落ちた瞬間でした。
母になり蘇った幼い日々をたどる中で
再会した今回のテーマ「ballet」。
その中の3つの断片については、
また次回。
アン・ドゥ・トロワ